まず
わたしの診療に限らずおよそ治療行為というのは、患者さんが快方に向かうお手伝いをしているにすぎないことを強調したいと思います。

またこうした理解は患者さんにとっても、とても大事ことです。確かに医療者の方が医学知識はあるわけですが、ただそれだけのことです。

二人三脚をしているところを想像してください。ただし競争ではありません。それぞれの片足をひもで結んで、一緒に前に向かうことが目標です。相手のひとは少し自分より足が速く、あるいは身体が大きな方かもしれません。

でも一緒に進まなくてはならないのですから、お互いに気遣いながら進んでいくことでしょう。それと全く同じことです。医療という分野で、患者さんより歩き方や進む方向を知っているわたしたちは、患者さんが快方というゴールへ向かって歩くのを手伝っているのです。