尿道炎
尿検査


 性行為によって尿道に感染が起こる病気です。尿道が長いぶん、とくに男性の場合にみられます。
 おおきく分けて淋菌によるものと、そうでないものに分けられます。非淋菌性尿道炎の中で最も多い原因菌はクラミジアという菌でその以外マイコプラズマ、カンジダなどが原因になります。

 いづれにしても潜伏期間は2日〜4週間程度で、尿道の不愉快感、排尿時の痛みや、かゆみなどが生じ、尿道から分泌物や嚢が出る場合も少なくありません.
 とくに淋菌性尿道炎は痛みが強く尿道からの分泌物も多くみられます。一方クラミジアの場合は 淋菌性尿道炎に較べると症状は軽く,尿道分泌物も少ない傾向にあります。
 それぞれ単独の感染もありますが、とくに淋病にかかった場合にはクラミジアが複合感染する場合も多くあります。

 男性でも病状の初期やクラミジア尿道炎のとき、症状が軽度のため病気にかかっているのに気付かず パートナーに病気を移している場合があり, 診断がついた時点でパートナーも同時に治療を受ける必要があります. また,病気の原因となった相手も可能であれば治療を受けるべきです。
 とくに 女性では男性と異なり膣炎や子宮頚管炎で発症するため、自覚症状として分かりにくいため長期間放置されることがあり注意が必要です。


Q.尿道炎の後遺症はありませんか?

 尿道が狭くなる病気(尿道狭窄)と尿道炎との関係が疑われています。ただし治療により菌そのものが排除されれば、尿道炎そのものは治癒しますし、狭窄が起こるにしても数年後とされています。


Q.性交渉の相手がトリコモナス膣炎と診断されたのですが、自分は治療しなければいけないでしょうか?

 トリコモナスなどの微生物は原虫という生物です。アメーバなどもそれに含まれ、本によると尿道炎を起こすというような記載もありますが、日々の診療ではめったに見かけない病気です。おそらくトリコモナスが尿道に進入しても、感染が成立せずに尿と一緒に流れ出されているものと思われます。尿道炎の症状が強いようなら検査を勧めていく必要があるでしょう。