尿酸について
痛風の治療ガイドライン

 尿酸は細胞が壊れて、主としてDNAやRNAという遺伝に関係する物質から出てくる、いわば老廃物です。この尿酸が血液中で高くなる状態が「高尿酸血症」です。普通は1日700mg程度の尿酸が作られ、おもに腎臓から排泄されますが、この量が増えるか、あるいは、うまく排泄されないと、高尿酸血症となります。

 この症状には二つあります。ひとつは尿酸が結晶としてからだのいろんなところに沈着して起こるものです。関節にたまり炎症を起こすいわゆる痛風発作、痛みはなくても塊として触れる痛風結節、あるいは腎臓にたまり腎障害を起こす痛風腎や尿路結石などがそうです。

 もう一つは、そういうはっきりとした症状を示さなくても徐々に、肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病などの病気と歩調を合わせて進んでいく病気があります。それは脳卒中や心筋梗塞など主として動脈硬化に起因する病気としてはっきり出てくることになります。高尿酸血症の80%は生活習慣病を合併


 血清尿酸値を下げる薬としては、尿酸排泄促進薬であるベンズブロマロン(例:商品名ユリノームなど)や尿酸合成阻害薬であるアロプリノール(例:商品名ザイロリックなど)などがあります。

 高尿酸血症では日常の食事には注意せねばなりませんが、尿酸のもとになるプリン体は、食事から入ってくるものよりも、体の中で生成するもののほうがはるかに多いので、食事を注意しても尿酸値が改善しないときは早めに内服治療を開始しましょう。


Q.運動はしていていいのですか?
 
 過度の負荷は尿酸を増すことになります。具体的な運動内容については、尿酸値の変化を追いながら決めていくしかないでしょう。